悪魔のスイーツ、クイニーアマン。日本のクイニーアマンはクイニーアマンではない。

個人的な都合で、フランスと日本を行き来しております。

やはり、うるさい人々とマナーの悪さ、はヨーロッパで飛び抜けているようです(ドイツ人の友人談)。

しかし、ミシェランスターレストランに代表される「食」については、

やはり他の国の追随を許さない歴史と、そのなかでただ伝統を守るだけという歴史に甘んじることなく、常に新しい味を創作してきた国でもあって、

「うまい」というレベルが違います。味に関しては、常に新しい「美味」を追い求める文化があるようです。ミシェランスターレストランでは、ベタな味というのは、評価が低いです。(あぁこれ?驚きがないね。みたいな感じになるので。)

 

さて、そのなかで出会ったお手頃で美味しいスイーツを一つ紹介したいと思います。

私が独断と偏見100%で、キングオブスイーツ(焼き菓子部門)と思うものは

「クイニーアマン」です。

 

一度食べたら止まらなくなる依存性、

大量の塩バターと砂糖と生地が合間って生まれる究極の美味

そして、高カロリー・高脂肪・高塩分であり、

言うまでもなく体に悪い。

 

体に悪いということを十二分に承知の上で、ついつい食べてしまうという

何か悪いことをしているような罪悪感すら食べる者に与えてしまうもの。

それが「クイニーアマン」。

 

日本では聞きなれない名前ですが、日本にもあるようです。ちょいちょいベーカリーなどで見かけましたが、「うーん何か違うな〜」と思っていました。調べてみますと、クイニーアマンのレシピもプロからアマチュアまで公開しているようですね。

 

ちょっとディグインしてみましょう。

 

クイニーアマンとは

クイニーアマン(ブルトン語:kouign amann, 発音 [,kwiɲaˈmɑ̃nː])とは、フランスのブルターニュ地方における伝統的な洋菓子の一種である。フィニステール県ドゥアルヌネの名物で、イヴ=ルネ・スコルディア(Yves-René Scordia)というパン職人によって1860年頃に創出された。名称はブルトン語で「バター(amann)の菓子(kouign)」という意味。
作り手によって差はあるものの、一般的に外側は固めの食感で香ばしく、内側は甘味だけでなく塩気も感じられるものが多い。フランスではブルターニュ産の塩バターを用いる。
日本では、洋菓子店の他にパン屋でもしばしば菓子パンの一種として売られている。


作り方
強力粉と薄力粉を混ぜたものにドライイースト、砂糖(グラニュー糖)、塩、バターを加えてブリオッシュ風の生地を作り、冷蔵庫でしばらく寝かせる。薄く延ばした生地を折り込んでは冷蔵庫で休ませる工程を繰り返したのち、砂糖(グラニュー糖)とバターを敷いたアルミホイルなどの小さな型で発酵させ、オーブンで焼成する。


歴史
イヴ=ルネ・スコルディア(Yves-René Scordia)は1828年7月5日に生まれ、1855年7月16日にマリー・アンヌ・コランティーヌ・グェグァン(Marie Anne Corentine Guéguen)と結婚して1856年にドゥアルヌネでパン屋を開業した。
1860年頃のブルターニュでは、小麦粉が不足し、バターが豊富にある状況であった。このため、小麦粉400g、バター300g、砂糖300gという異常な配分のパン生地が作られた。もちろん、パン生地としては失敗であったが、準備したものを無駄にするのは避けようとこれをそのまま焼いたところ、小ぶりなしっかりとしたケーキとなり、美味であった。
イヴ=ルネ・スコルディアは1878年10月11日に他界する。1861年3月10日生まれの娘ユルシュール・ガブリエル・スコルディア(Ursule Gabrielle Scordia)は、エルヴェ・ロラン・クロゾン(Hervé Rolland Crozon)と1879年7月14日に結婚し、パン屋を継いだ。クイニーアマンは定期的に注文されるようになり、しばしば複数の従業員に助けられ、イーストを使わないパン種で素早く作るレシピを発見するに至った。

wikipediaより。

https://ja.wikipedia.org/wiki/クイニーアマン

 

 

さて、そのブルトン地方ですが、他にも塩バターの産地でもあり、塩キャラメルやバター25%以上配合したバタークッキーの産地でもあります。

フランスでは5%のバター配合量は、バター配合とは言わないみたいです。むしろ、5%しかバターが配合されていない極めてクオリティーの低い商品という認識をされます。

 

このブルトン地方、昔から海軍の要所として、造船、海軍基地があったそうです。そして、今でもフランス海軍の司令部が置かれています。

 

 

Musée National de la Marine 国立海軍博物館

では、当時の船乗りの装備品などが書いてあります。

ワイン(1日1人3L支給)、バター、チーズ、ビスケット、キャラメルなどなど

いわゆる保存食ばかりですね。

と言う背景もあり、塩バター、ビスケット(クッキーも)、キャラメルなどが地方の特産品になったのではないかと思います。

 

さて、このクイニーアマンが開発されたきっかけは、ウィキペディアにもあるように

「小麦粉が足りない時代」だったのです。

つまり「小麦粉<塩バター」(ブレトンは塩バタの産地なので)

と言う時代でした。

 

信じられない時代ですね。

今では多くの菓子のコスト削減のために、バターをいかに減らすかという努力をするのですが。この時代は、バターがたくさんあり、小麦粉がない時代だったので、小麦粉を減らして小麦粉と同量のバターを打ち込むという豪快な技でクイニーアマンが生まれました。

 

日本のレシピ例1  フランスのレシピ
フランスパン専用粉 250g
インスタントドライイースト小さじ1
砂糖小さじ1
水170~180ml
塩小さじ1
無塩バター10g
無塩バター(折り込み用)150g
グラニュー糖250g
250 g de farine小麦粉
200 g de beurreバター
200 g de sucre en poudre砂糖
10 g de levure fraîcheイースト
10 cl d' eau 水(10cl = 100ml)
2 pincées de sel 2つまみ
日本のレシピ例2
バターロールの生地 270g
有塩バター 80g
仕上げのグラニュー糖70g
仕上げのバター50g

 

  1. はい、バターを大量にぶち込んでください。(バターのない時代ですので)

  2. バターは塩バターです。(ブレトンは塩バターの産地です)
  3. 小麦粉はフランスパン用でなくてもいいようです。
  4. 砂糖はどんな砂糖でもOKです。

 

そう、このほとんど小麦粉と同量の塩バターを豪快に入れて初めて表現できる、

口に含んだ時、ジワーっとバターと甘みがしみでてくる食感。

そして、オーブンの中で偶然塩バターと砂糖が混ざってできたキャラメル。

 

それは、もう悪魔の焼き菓子、クイニーアマンです。

一度食べたら止まらない。

一度食べたら二度と忘れられない。

麻薬のような菓子、クイニーアマンです。

 

日本のクイニーアマンではバターの配合量が圧倒的にたりません。

バターが少ないクイニーアマンは、クイニーアマンではありません。

コメントを残す

名前 .
.
メッセージ .

コメントは承認され次第、表示される前に承認される必要があります。